自己破壊

私はそろそろ「自己否定」という色眼鏡を外します。

 

きのう、そう宣言しました。

 

と同時に「自己破壊」という言葉が浮かんできました。

「自己破壊」とは自分の存在をないものとする、というような意味。

たいていの場合「希死念慮」という自殺願望とセットになっているんだとか。

 

私には白血病で亡くなったボーイ・フレンドがいます。

彼が亡くなったのは、もう何年も前のこと。

 

彼が亡くなったとの連絡を受けるまで、私は彼が白血病だったことを知らずにいました。

 

彼と出逢ってお互い、一目ぼれのように強くひかれあいました。

何回かデートもしました。

彼も私もお互いを好きなのに、なぜかしっくりこないものを感じていました。

 

そのうち「彼と彼女」の関係ではなくなり、けれど仕事の関係もあって、ボーイフレンド、ガールフレンドくらいの関係は続いていました。

 

私は彼のことが大好きで、でも恋人としてはうまくいかない何かが引っかかっていて、それでも彼はとてもハンサムな男性だったので、私との関係は変わっても、親密な仲のガールフレンドはたくさんいたのだろうと勝手に思い込んでいました。

 

お通夜に出て、彼のお友達にそのことを告げたら、「とんでもない。白血病で入退院を繰り返していたよ。調子の良い時は入院していても仕事をしていた。気がまぎれたんじゃないのかな、その方が。ガールフレンドとの楽しい時間なんてまったくなかったよ」

 

絶句です。

 

なぜ私に病気のことを伝えてくれなかったのか。

なぜ「辛い、怖い」と泣きごとを言ってくれなかったのか。

 

もっとも当時の私にそれを受け止められたかはわかりませんけど。

 

それでも彼の周りにはいつもお友達がいて、時に私のデートより彼らとの時間を大切にしていた彼なので、淋しくはなかったのかな、心は穏やかだったのかな。

 

と様々に思いを巡らしていました。

 

「自己破壊」の言葉が浮かんできた時に、その彼の顔がさぁっと浮かんできたのです。

旅立ちからもう何年も経っているのに、夢にも何度もあれわれてくれて。

けれど逆にそのことが引っかかってもいました。

 

夢の中で、彼は必ずベッドにいるのです。

そして私は彼のそばにずっといるのです、時にかいがいしく動き回って。

そして夢の中で彼はそれはそれは私を大切に扱ってくれていたのです、心の底から大事な人としてやわらかいまなざしを向けて。

 

何か言い足りないんだろうとずっと思っていました。伝えたい何かがあってのことなんだろう、と。

 

気になったので白血病にはどんなメッセージがあるのか、また白血病にかかりやすい人の「気質」としてどんな特徴があるのかを調べてみました。

 

愕然としました。

 

一般的な傾向として、なのですべての方がそうという意味ではありませんが、自己破壊の気持ちが強く、自分自身の本心に繋がるより、いつも「恐れ」を最優先で選択するタイプの人が多いんだとか。

その他にも「霊」の存在とか、色々なことが書かれていましたが、正直、そんなことはどうでもよくて、けれど彼がそんなにも恐れを感じていたなんてまったく思いもしなかった自分自身にショックを受けてしまったのです。

 

感性豊かなナイーブな人だとは感じていたけれど、言いたいことはそれなりに口に出していたような気がしたし、何よりいつも友達と一緒にいて笑顔を浮かべていた。

 

私は何も知らなかった。

彼の名前とそのルックスと少しのプロフィールぐらいしか。

 

彼の心にはこれっぽちも近づいていなかった。

 

愕然としました、ただただ愕然と。

 

私は何年もの間、彼との関係をある意味美化していたのだと気づきました。

私もまた自分の本心に繋がろうとしていなかったのではないか。

 

彼は私が創り出した美しい想い出のまま、ではなく本当の自分を私に伝えたかったのではないか。

「自己破壊」ゆえだったろう白血病との闘いだった事実をどうしても伝えたかったのではないか。

 

そう感じているうちに、どうしようもなく「重いエネルギー」があふれて来て、気持ち悪さに耐えられないほどになりました。

 

これが彼の感じていた「自己破壊」と「恐れ」の感情なのか。

 

重くて重くて辛くて辛くて、哀しくて哀しくて、切なくて切なくて、いたたまれない感情です。

 

そして今朝、まだその不快感は胃のあたりに残っていて、それでも感じよう、彼が生前感じていた感情を絶対に感じつくそうと瞑想をしました。

 

瞑想開始後30分ほどすると、気持ちがさぁっと晴れ、「自己破壊、わかった ?  創造のための破壊だよ」というメッセージがまた浮かんできました。

 

彼は徹底した自己破壊の感情と共に自分の人生を終えたようです。

けれどそれは自己創造の思いを周りの人に伝えるための魂の選択だったということを明確に私に伝えてきたのです。

 

私たちが恋人としては深い繋がりを感じられなかったのも、魂の友として、何かを感じ合い、共有し、そして協調し合う関係をお互いに優先課題とおいていたためのようです。

 

「もう恐れのフィルターはいらないよ。もう自己否定は必要ないんだ。自己否定は抑圧の記憶だからね。もう何も抑圧することはない。君は創造に向けて人生のカジをとりなおしたんだから。怖くなっても平気だよ、絶対に自己破壊には向かない。二度ともう、ここは自分の居場所じゃないなんて感じることはないんだ」

 

妄想ゆえのストーリーなのか、彼からのメッセージなのか、どちらでも構わない。

 

ただ、大きな一歩を踏み出すそのために彼は今まで、私の中に意識として生き続けてくれていたようです。

 

彼の人生を一生懸命感じてよかった、感じられてよかった、感じさせてもらえてよかった。

 

心の底からそう思いました。もちろんすべてを感じられたはずはないけれど、彼の真ん中の感情をきちんと感じることができて本当に良かった。

 

お互いはじめて出逢った時のあの衝撃。

 

似たもの同士だったからこその共鳴だったんですね。

 

おそらくあの時の私の中にも強い「自己破壊」の意識が潜んでいたのでしょう。

今まで顕在意識でそれを感じたことはなかったけれど。

 

潜在意識の中で眠っていた、いわば心の爆弾。

 

彼が、その爆弾の起爆スイッチを解いてくれたのでしょうか。

 

こんな愛もあるのですね。

 

不思議な体験をさせてもらいました。

 

妄想だと笑ったり、危ないヤツと感じたりの場合もあるかもしれません。

 

それでも平気です。

 

彼の命がけのGiftの意味は、私がしっかりと受け止めればいいことだとわかるので。

 

ちなみに彼は漆黒の濡れたような瞳をしていました。

目は魂の鏡。

 

あの時の彼の魂はすでに涙に濡れていたのでしょうか。

いつも涙と共にあったのでしょうか。

 

痛い、痛い、痛い。

 

またまたハートが何かを感じています。

 

 

 

 

 

 

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